今一つ突き抜けないわけで

安いけど、安くは売らないよw

世界の傑作機No.159 ヤコヴレフYak-25/-28

世界の傑作機No.159 ヤコヴレフYak-25/-28世界の傑作機No.159 ヤコヴレフYak-25/-28
(2014/01/30)
不明

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ついにこれが来るかと、大変驚いた。
これまでの日本では、ソ連の前線航空隊の戦闘機は話題になっても、この手の戦略レベルの防空機についてはあまり知られていなかった。
ソ連軍用機史の中で、大きな位置を占めたはずの戦略防空機について、俯瞰的に扱った書籍が母国語で読める。なんというし幸せだろう。

さて、巻頭から惚れる写真であるw 
グラビアページ、藤田さんノリノリであるw
なにしろ、比較的ソ連機が好きな僕でも、いわゆるYak-25/28系列機なんぞ全く知らんのである。このグラビアページこそ、読者へ差し伸べたジェイコブスラダーなのだw 乗ってもらわねば困るw

開発と各型、藤田さんの記事であるが、いきなり「失敗の翼を生かして」である。そこから続く当時のソ連軍用機開発状況と決断、短いながら大変要領よい。続いて生まれ変わった翼の目指したものが示される。
しかしまあ、ロシア人の実用主義はすさまじい。次々展開される計画、改修に目もくらむほどだ。アンチFODの網から、テスト中だったレーダ搭載、爆撃型、薄翼の超音速型、エルロンリバーサル対処の改修、最後はフラゴンへの対抗機開発。化けそこなってw
125Bと25Mの透視図が入ってるのは大変良い。これとんでもないでしょw さすがロシア人だと思う。ロシア人だって呆れてヤコヴレフだからだ、というかもしれないw

各型写真解説も藤田さん。これまたすごい写真ばかりで、くらくらする。
しかも形式にあふれんばかりのこの機体、しかも情報も限られていてキャプションは大変だったと思うんだ。
いやもう、感想が書けない。圧倒されるだけだわ。
この重厚な資料は、後の鳥養先生の記事にもがっちり生かされている。まさに藤原さん無双である。どんどんやってくださいw


お待ちかね鳥養先生の記事は、この機体へ至る道を、さらに俯瞰的に見るものだ。
藤田さんからの資料提供を受けて、前適応の機体を探し出すとか、超タッグにニヤニヤが止まらない。どんどんやってくださいw
技術とは、理論と経験の合成である。その結合っぷりは大戦中から変わりないんだが、その後の技術発展期のキメラっぷりはヤコヴレフならではなのだろうか。と、言えば綺麗だが、狙ってたのは「どぜう」っていうのがw もう茶目っ気ばりばりでw 鳥養先生もノリノリであるw
だってMiG-15のピッチアップ癖にまで再言及するくらいだものw そしてこれは全体に重要な起点となる。
後出しじゃんけんの秘策、だよw 
でも、勝てばいい。同じアイデアでどろどろになってしまった状況に、あたらしい水を呼び込む。
信頼性あるプラットフォームに至る。これが種明かしでした、とw

ここから、冒頭藤田さんの記事の、スターリン直訴と航空局の理解とが出てきて、実はこれら二つの記事は非常に良く相補的で、高い視点を与えてくれる。
ソ連が抱いていた脅威、迎撃戦闘機の開発困難、そしてヤコヴレフのどぜうだ。


構造とシステムは辻真一郎氏
辻さん、非常に書き口、切り口に苦労されてる感じがする。やはり趣味誌的なポジションなのだ、世傑は。読者の多くは技術者が知識として、実務として習得するものを持っていない。しかし原則と、個別という流れは変わってないわけで、頭の良い人なのだと思う。
それにしても、この改造されっぷりはとてつもないし、同時に実用品としての機能は細部に備わっている。

実はすこし不満で、というのは、この本全体を見ると、ミサイル装備、偵察装備、電子戦システムについての情報が少ない。そこのところがフォローアップされているともう一段の重厚さが増したと思う。


運用録は再び藤田さん。
実際、この項が無ければ、25/28の実相などさっぱりわからんw
そして非常に興味深い。気球迎撃、爆撃型の活躍()、核任務への適合。偵察機のアフガンでの活動、そして墜落部品あさり。

インアクションも藤田氏。まさに無双である。
写真のチョイスは大変だったろう。大型機で双発機というのは、撮影しづらいし、どこかしら隠れてしまう。それでもありとあらゆるアングルが全体として選ばれながら、同時に各型もなるたけまんべんなく掲載するのだから。
比較的鮮明で様々な写真があることから、冷戦時のソ連で比較的多かった機体というのも良く判る。日本人にはまったく馴染の無かった機体だけれど、実にさまざまに運用され、航空連隊レベルで混成配置されていたのだから。


最後は浜田氏の戦略偵察システム。ソ連の戦略偵察システムについての記事が読める時代なんだと驚いた。
25RVは、U-2事件と共に過去のものとなり、速度、あるいは無人化へ切り替えられてゆく。その辺は米側の対応とまさに合わせ鏡なのだ。米の航空戦略偵察がSR-71を頂点とした恐るべきものになっていったころ、やはりソ連も高度なシステムを構築していた。
無人化すべきであるw それかよ。

図面はヤヒム・ゴルドン氏(読み方これでいいのかな?)によるもの。大型機をページに納めるために、スケールがばらばらなのはちょっと困るが、まあ許容範囲内だと思う。個別の特徴がよく拾われている。こういう図面こそ、世傑的で良いのだと思う。模型のために押し当てる対象としての図面は、もはや一部の人しか要求してないと思う。


今回も大変堪能させてもらった。まさに今でなければ出版できない。最初の一冊である。続く本が日本語で読めるかどうかはわからないw そういう本であるからこそ、日本人にとってかけがえのない宝石のような一冊になったと僕は信じる。

あえて言えば、防空網内の位置づけ、すなわち防空網自体の変化と進歩にもさらっと触れてくれると大変良かったとは思うんだが、防空型は25/28にとって適応対象の一部でしかなかった。つまり蛇足か、と思わなくもない。
大変良い本だった。執筆者の皆様、編集者の皆様、お疲れ様でした。ありがとう。



ごく個人的なアレだが、B-25本もA-4本も買ってるんだが、ちゃんと読めてないBf110本も、ああレーダの記事がレーダがレーダがシュレーゲムジークがどんな風に配備されていたとかああああとか言いながら読んだけど、書くに至ってない。

でもB-25もA-4もBf110もメジャー機だもん。俺より好きな奴が書いてるでしょ。

Yak-25/28なんて誰得俺得で、買おうかどうか迷ってる人の方が多いはずだし。
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