今一つ突き抜けないわけで

安いけど、安くは売らないよw

世界の傑作機No.155 Bー26マローダー (世界の傑作機 NO. 155)

世界の傑作機No.155 Bー26マローダー (世界の傑作機 NO. 155)世界の傑作機No.155 Bー26マローダー (世界の傑作機 NO. 155)
(2013/05/30)
不明

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世傑で双発大戦機を扱うなら、この僕が大いに称揚するしかない(確信
B-26 マローダー
堂々の出版である。
実は日本人にはあんまり馴染のない機体で、本書によれば実際、太平洋戦線CBI戦線はB-25で一本化されてる。
そしてその理由、さらにはトレードオフして求めたものが、性能が、B-26を象徴するすべてだったりする。

そのコンセプトの種明かしは、おなじみ鳥養先生が鮮やかに行っている。
この知的なトレース、ケーススタディは、世傑で扱っている双発機を読み比べると、ダイナミックな航空史、航空開発史、戦史を統合したものとなってくる。
これですよ。たとえモデラーと言えども、こういうことを無視して形を追いかけることには何の意味もない。

もう度肝を抜かれるものね。
まず国の方針から航空増産の大号令が出され、
個別の要求仕様が出される。これが曖昧で、記事担当諸氏の意見交換でもはっきりしないらしい。
続いて仕様分析が行われる。航空阻止戦。つまり陸軍の戦闘領域のさらに背後に独力で攻撃を行う中爆撃機。
その支柱となるのが、戦闘機よりも大型であるがゆえに達成できる速度。戦闘機より速い爆撃機、と。
これらを分析したうえで、基本設計を行う実際の思考としてのタイプシップ選び、そこで
B-17を選ぶ卓越と、それをまとめ上げる発想については、実際に本文を読んでいただく方がずっといい。

さらにそれを実現する構造に筆は及ぶ。
流石に僕の知識では、きちんと意味を把握しきれないのが悔しい。これでも僕は「筋彫りこそが構造を表現するのだ」と豪語してるのにw
押し出しと鍛造では、鍛造の方が強いらしいとは知ってても、定量的じゃないから、キャリースルー構造の鍛造桁がどれほどのことなのか、理解できないのよね。無知って嫌ねえ。
そう。キャリースルーなのだ。これを実現するためのそれぞれの実装も、ストレッチャー工法も、非常に面白い。

また、ウィドウメーカーの風評についての分析も面白い。鳥養先生は発散してしまったとお書きにはなっているが、その発散が面白い。
本機の事故原因と言われていた翼面荷重が、実はB-25と同程度であること。
B-25との比較の上でドゥーリットルの東京爆撃任務をタイプシップに比較してみると、B-25に対して特段の見劣りはしない。
また他記事でもあるように、統計上も突出して事故率が高かったわけではない。
この辺で、すでに鳥養先生の内心には、心象が構成されているようで、高翼面荷重機には整備された長い滑走路があれば良い、とのインタビューを抜き出し、B-26Bでの主翼取付角変更の理由について考察している。
つまり、急増パイロットの離陸負担を減らすものではなかったか、と。
あるいはエンジン事故、あるいは24V電源化され電動プロペラピッチ制御がバッテリ消耗によってコントロールできなくなり推力不足に陥ること、
本機のトレードオフと環境がもたらした「未知との遭遇」という形で表現されている。その未知との遭遇は、航空技術の発展期と、直後の国策としての大増産との間に生まれたミスマッチであり、そのミスマッチの多さが、すなわち本機そのものとも言える。
それは離着陸時の片発停止には対応していない、安全性の古さでもある。戦後の安全性の革新は日本にとっての未知との遭遇だったYS-11をタイプシップに示して、その概念の無かった時代のB-26を浮き彫りにしている。
しかしそれは、安全性の軽視ではない、と。
最後は若干、駆け足だが、既刊で語られたことの総括でもある。発散、とは確かにおっしゃる通りだが、時代を駆け抜けた本機にふさわしいと言えばふさわしい。
やはり世傑は、スペシャルエディションで戦後民間機の趨勢を一冊に総括したものを出すべきだろう。
今でなければ出せないものだと思う。

さて、鳥養先生で大興奮してしまったのだけれど、
例によって良く構成されていて、日本ではあまりなじみのない、しかし最新技術を惜しみなく投入した本機について、21世紀の視点で良くまとまっている。
本機についてよく引き合いに出されるウィドウメーカーの風評に対して、否定的な視点に立っている。

冒頭、藤田氏の開発と各型は短いが苦難と克服の生涯だった本機を良く表現してる。それ以上も言いようがない。運用期間が短く、しかし最新技術を投入したもので、人材も大拡張期にあって、すべてがミスマッチのなかで、どのように解決改善されて行ったか、それは個別具体的な物語になる。それを拾ってくるのは、今しかない。

各型写真解説は、撮影日付こそ明らかではないが、撮影場所撮影状況そしてサブタイプとシリアルによって補完している。このほんの数行に掛けられた手間は大きなものだと思う。でもそのおかげで、それぞれの画像の価値が数倍に上がっている。撮影時期不明状況不明の画像など、ウェブにいくらでも転がっている。それを集めてきましたとは全く違うプロの仕事を見る思いがする。

構造とシステムは山内氏。鳥養先生が設計と製造から見た構造を解説しているのに対し、山内氏の記事は運用から見た構造とシステムで、それぞれが相補的に補完している。いわゆるディティールの意味の方を担当している。変遷と違いを十分に書きつつ、しかしただの羅列を避けるべく、適切に運用小史を挿入する素晴らしい記事だった。
あくまで運用から構造とシステムを見る、ということが、運用者の扱いを含めた変遷史となって分厚く浮き上がってくる。これが「やっぱアメリカ人はこういう仕事をさせるとホントいい仕事をする」あたりまで来るんだからすばらしい。

襲撃者たちの闘い、戦闘記録パートは再び藤田氏。日本であまり知られていないB-26の対日戦から始めていて、実は驚いた。ここでB-26は比較的大きな損害を出している。これも意外だったが、運用の差として分量をとって説明されている。おもしろかったのはリンドン・ジョンソン大統領の本機での叙勲の経緯について。
ミッドウェーで赤城に雷撃していたことは知らなかった。意外と日本軍と戦っている。開戦当初からB-26はある、年代的には意外と古い機体だから当然と言えば当然なのだけれど。

太平洋では襲撃的に、そして損害も多かった。ヨーロッパでは防空砲火脅威が高く、中高度以上の運用となり、損害率は減ったが戦術変換にともなってノルデンサイトを搭載し、ボックス隊形を組むようになった。僕の知っているB-26はこの運用だ。ノルマンディのB-26も編隊+中高度で、その所以が良くわかる。それが橋梁攻撃に効果を発揮してゆく過程はエキサイティングですらある。先進技術を投入して作られたこの機体、やはり運用の改善が、重要な要素だったとよく示している記事で大変すばらしい。
それが航空阻止という運用なのだと。
モンテ・カッシーノをふっとばしたのがB-26だったとは知らんかったw
そうそう、データの出典と、これを基にした藤田氏の算出とをきちんと分けているのは大変すばらしい。
過去の風評に対して否定的になる、ということは、こういう事の裏打ちなのだ。

マーダー・イン・アクションは松崎氏によるもの。こちらはより戦場でのマローダーを良く紹介している。俯瞰的な編隊画像が多く、また損傷を受けて今にも墜落してゆく画像も多く、本機の厳しい任務自体が良く俯瞰される。また基地での画像も多く、整備滑走路で集中運用され、精密爆撃によって航空阻止を行った様子が本当に良くわかる。なんか、本当に、愛されてるというかw
つくりてーと思うよ。それも最低4機くらいでw だから悩むんだけどw

で、その具体的なものが山内氏によるB-26G爆撃ミッション。冒頭で俯瞰というか、概観を提示しててイメージがつかみやすい。いわゆるこれがマニュアルパートで、もはや名物。
特徴は編隊離陸。編隊長機は離陸後規定時間まで直進し、180度ターンする。その機長の復航に時間を合わせて、より手前で後続機が旋回することで、素早く編隊を構成する、と。開発、運用、その情景に続いて、それらを統合する運用ケーススタディと。

最後に、グレン・マーチンの個人史が入る。最近の世傑の特徴の一つと言っていい。
ビジネスマンなのね、この人。航空初期の夢追い人で、同時にがっちりビジネスマン。そういう人がいるところがアメリカの強さでもあって。

塗装マは野中氏。本文記事は見開き分しかないが、グラビアの二宮氏のカラー側面図と相互補完、かつ画像キャプションで補完されてると思う。

図面は鈴木氏。スケールがちゃんと入っていて、しかもサブタイプの特徴や、各部寸法、ステーションナンバーや透視図まで入って、もうばっちりです。


もはや揺らぎも揺るぎもねえ「最初の一冊」にして「基盤の一冊」
この機どころか、同時期を語るならば、世傑のこのシリーズ(勝手にシリーズ認識)を押さえておかねばどーもこーもない。
買って良かった度はもはや買うべき度となっているw★三つ。だって相補的だから、過去に扱った機体を照らすのにも使えるわけだもの。
そう言う意味でも「今出しておいてくれないとマジで困る」みたいなシリーズに昇華されている。描かれるべき機体が埋まってゆくのはちょっとさみしいけど、埋めていってもらわねば困る。
21世紀の日本に生きてて本当に幸せであるw

ハセガワのイイキットもあるしなあ。
ナナニならノルマンディ仕様でばんばんと二、三機だとかっちょええやろなあ。
いや、二、三機逝くなら太平洋、地中海、ノルマンディでもええなあ。
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