今一つ突き抜けないわけで

安いけど、安くは売らないよw

世界の傑作機No.146 E.E.キャンベラ/マーチンB-57

知りたいと思い、それを知る過程を得たものは本当に幸せなのだとおもう。
目の前にあるものをただ受容するのみならず、
なぜなのか、どのような働きをしているのか、知りたいと思い、知るに足る基礎的な知識を得たなら、
後はその知識をいかに使い、いかに重ね、いかに精密にしてゆくかとなる。
世界の傑作機No.146 E.E.キャンベラ/マーチンB-57世界の傑作機No.146 E.E.キャンベラ/マーチンB-57
(2011/09/30)
不明

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ここの所の世傑は、
なんという俺得
のひとことだったりする。

今号はEEキャンベラ。
今号も大作にして大きな本だと思う。

大戦中に要求仕様が与えられた、いわば最初のジェット爆撃機にして、最後の大戦機だ。
例によって「かっとばしている」
田村氏による全体史俯瞰、松崎氏による写真解説のあとは、
お待ちかね鳥養先生の時間だ。
戦争の終わりを予測した時代、次の戦争を想起しながら、ジェットという新しい技術を得た時代。
同時にジェットの揺籃期であり、可能性と能力を実現する技術に欠けた時代。
その時代に技術開発指導はいかにあるべきかのケーススタディでもある。
チーフデザイナーであるW.W.ペッターと、航空省の仕様提示との関係。
具体的なことはわからないとしても、それがキャンベラの成功を生んだのは間違いない。
そしてその実装となった個別の技術をも見てゆく。
飛行機の面白いところはそこだと思う。
将来欧州戦をすでに考えるイギリス。この時点のイギリスはぼろぼろに消耗していたし、工業界もレンドリース法の付帯事項などでダメージを受けていた。それでもキャンベラが作られたことは大きなことだと思う。

さて、写真とキャプションを見ていて本当に思うのだが、
いつ、どこで撮影されたのかという基本情報がきっちり押さえられていて非常に助かる。
短気な人は「役立つ」写真ばかり求めるものだが、そんなものは今の時代、ウェブでもさらってくれと言いたい。
本当に必要なのは、時間的空間的に位置づけられた情報だ。
読める、そして読んで助かる情報は本当に意味がある。
長期間運用されたキャンベラだけあって、写真も非常に多く、また解説にも力が入っている。
グラビアページなどほとんど「おっかけ」のごとく撮影対象となった機体とその状況について記述されている。
こういう重厚で包括的な情報は素人には本当にどうにもならない。
買ってよかったと心から思う瞬間でもある。


追記~
時間をゆっくりとって読んでみたら、松崎氏による隠密偵察機記事が非常に分厚い。
これに言及しなかったのは、見落としというより手落ちだった。
誠に申し訳なく思うくらい。

実際、英軍機らしく偵察機バリエーションもよく使われていた。
世傑を一読すれば、戦闘任務に直接つく爆撃機型よりも、活動が広く深く
偵察型こそ事実上の主力じゃないかと思えるくらい。

そこがまた「戦時中にあって将来戦争のために作られた」キャンベラの環境を思い起こさせて非常に興味深い。
中でもハードスロブ機の日本展開と、横田のマニアも気づいていなかった様子が記述されているのは、当時を後から振り返る現在からの資料としてすばらしい。

台湾空軍の偵察型の写真や、核任務を負った機体が韓国に展開していたことなど、実際極東/東アジアの戦後情勢に大きくかかわっていた機体であるし、もちろんちゃんと言及がある。

追記終わり



さらに運用回想が当時の空気感、パイロット側の認識と感覚をよく伝えてくれている。
キャンベラも英車っぽいな、と思うと妙におかしいんだが、当時のジェット運用というのはかなり大変だったことを忍ばせる。意外だったのが、低高度でピッチダウン事故を頻発したことと、高高度では縦トリムがちょっと弱いということで、なるほど言われてみれば尾翼が意外と近い。

巻末には塗装例と各型図面がこれでもかと掲載されており、グラビア写真、本文写真と合わせて、これで不足なら博物館に行って来いと堂々と言えると思うw
逆に言えば、ほら、博物館へ言っておいでよ、XXが必要なんでしょ、まで作られている本ということでもある。

なにしろ寸法記載図まであるんだからw 図面は144だそうで、Aモデルのアレを積んでる人には是非お勧めしたいw

買ってよかった度?
そんなもん5/5に決まってるだろ。星五つ。


このクオリティの書籍を母国語で読めるというのは、本当に幸せだと思う。
情勢が大きく変わり、技術の一部が突出して進歩した時代、
成功作として飛び出してきたのがキャンベラだというのは実に興味深い。

そして飛行機好き、模型好きなら一見してわかるだろう。
堅実で実用的なアイデアと機構がそれを支える一部となっている。
それが何ゆえにそうなっているのかを知りたいと思ったとき、
この本は絶対に役に立つ。

うん。作ろう、作らなければと思う。
作ることで追体験できるのがモデラーなのだ。
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09/30/ (金)19:04 | B-57CM:(0)TB:(0)
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